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メンター通信 第74号

発行日2010.3

セルフスタンドで感動を売る法

今年の1月のことですが、私は鈴鹿のお客さんのところへ行く途中でした。
ガソリンのゲージに目が行くと残りわずかです。
「明日は、お客さんのところへ早く出て行く予定だし、今のうちにスタンドに寄っておけば、明日の朝は時間の余裕が作れるな」
なんて考えながら、走っていました。
私は、セルフスタンドがどうも好きになれません。
少々お金が安いからといっても、車から降りて給油するのが苦手です。
元整備士とは思えないですが、ノズルにハンドルのヌルっとした感じが嫌でたまりません。
そんな訳で走りながらセルフスタンドではないスタンドを、目を凝らして探しました。
最近はそういうスタンドはメインストリートでは、勝てないのか。ほとんど見当たりません。
セルフではないスタンドを探していたのですが
「これ以上先に行っても、無いかもしれん。」
と思い仕方なく久しぶりに自分で入れることにしました。
久々と言うのは、家内と一緒にスタンドに行ったときに入れさせられたとき以来だからです。
1人で入れるのは、初めてです。
車を止めて、給油口のふたを開け車から降りました。
その機械に従って、「まずガソリンの給付口に、給油ノズルを突っ込んで、それからお金を入れて、え〜っと満タンを押して・・・・」
「よしよし、給油中が点滅。意外と簡単じゃん。」
そう思ってしばらく待っていました。
ところが給油の終了にいつまで経ってもなりません。

よく音を聞いてみると、ガソリンが注がれるような音がしません。
「あれ?。これ給油できてんのかなぁ」
給油ノズルを取るわけにも行きませんし、困ったなぁ
そんなことを考えながら、立ち尽くしていいました。
周りを見渡しても、店員さんはいません。
仕方がないのでまた、しばらく操作パネルとニラメッこです。
次の予定までの時間が迫ってくるし、少し焦ってきました。
すると、店員さんがどこからか現れてきて
「どうされました」
「これ、給油されているんですか」
「これですね。」

私は、ノズルの握りの部分の給油のスイッチを入れないままだったんです。
このときの店員さんは、天使のように見えました。
その時思ったんです。
もしこれがセルフスタンドでなくて、普通のスタンドだったらこれほど喜んでしまうだろうか。
勿論自分で、給油することはありません。
しかし、給油場所に停車しても直ぐに出てきてくれなかったら、少し腹が立ちます。直ぐに出てきて当然。
さらに、色々話し掛けられると、少しうっとうしい。

まして、拭いてほしくもない窓を拭くなんてありがたいと思うことはありません。
ところが今回のセルフスタンドの場合は、近づいてきてもありがたいし、話し掛けてくれたら飛び上がって喜びます。
このとき、プチケーキの話を思い出しました。
プチケーキと言うのは、ある喫茶店がお客さんが遠のき何とかしなければならないので何かサービスを付けようと思い立ったときの逸話です。
ケーキぐらい付ければ喜んでくれるかなぁ。
そう思い、ショートケーキを付けることにしました。
ところが販売しているケーキだとお金も掛かるし、売れるものだったら売りたいという気持ちになったのです。
そこで小さく味も少々落ちるプチケーキを仕入れたのです。
そして看板には、『本日ケーキをサービスします。』と書いて貼り出しました。
この宣伝が功を奏して、新しいお客さんが入ってきました。
お客さんの反応はどうだったでしょうか。
喜ぶどころか。「こんなのかぁ」という期待はずれからくる不満を巻き起こしてしまったのです。
こういう失敗は、ありがちです。
看板で、期待のレベルを上げたために起きたことです。
プチケーキを出すなら、何も看板に書かず今日は特別にお好きなケーキをお取りください。
と来たら、「おっ、得した」という気分になります。
そのお客さんは、次のように話すでしょうね。
「昨日、喫茶店に行ったらケーキをサービスしてくれたよ」
店をオープンさせるときも、意気込んでオープンの宣伝をしてしまったため、接客が悪くて店の印象を悪くしてしまった例はよくあります。
特に、フランチャイズならその時だけ人を集中させることも出来ますが、中小零細の場合は、その時だけ人を入れるなんて出来ません。
たとえ募集にうまく成功したとしても、接客の教育をするまではとても出来ません。
このセルフスタンドの体験から私が考えなければならないと思ったのは、お客さんの期待以上のことをすればよいのであって、闇雲に値引きをする、サービスをするということではないということです。
お客さんが、期待はしているけども諦めていることを見つけて実行することです。
ですから、一旦諦めさせることも必要になるかもしれません。
もしかして、セルフスタンドで店員が立っている店が出てきたら勝てるかもしれませんね。

販売契約のクロージングのコツを掴んだ瞬間

私は、自動車セールスを始めて3ヶ月目にようやく荒瀬さんという方に、1台販売をすることができました。

でもこれは、荒瀬さんの人柄で買ってもらったようなもので、まだ売り方のコツを掴んだわけではありません。
セールスでいうクロージングのやり方が、全く解かっていなかったのです。
最近は、どなたかの紹介でないと契約の取れない方が結構多いようです。
ベテランセールスの人は、特にここにあぐらをかいているようです。
この経済環境下では、そうも言っておれないんですがね
その日は、確か日曜日のイベントのときだと思います。
私はいつものように軒並み訪問に出掛けていてお昼に帰ってきたときです。
マネージャの森さんが
「岩崎君、君の番や。よかったなぁ」
「はぁ」
私は何のことが解りませんでした。
実は、私の所属した鈴鹿営業所の三原所長の方針で、来店客は、順番でその商談する営業を決めるということでしたので、へなちょこ営業の私にも、順番が回ってきていたのです。
それが確実に代替をするという旧型のカローラに乗ってきた、生田さんという近くの方です。
「俺が、変わりに受けておいたから、直ぐに行って来い」
「はい」
取るものも取りあえず直ぐに、出掛けました。
「こんにちは、カローラですけど」
すると50歳前後の男性の方が迎えてくれました。
「おう、もう来たのか」

「はい」
「まあ、入って」
こんな具合で、簡単に部屋まで上げて頂くことになりました。
「ところで、どういうお車を・・」
「森さんにも言ったんだけど、もうこの車駄目やから変えるんよ。このXEとかいうのがいいんだけど」
イキナリです。
荒瀬さんのときは、7時間掛かって商談が成立したのに、直ぐに契約が結べる。そんな風に内心喜んでしまいました。
車種が決まっています。査定はマネージャーの森さんがしてくれています。
もう契約書にサインをしてもらうだけの状態です。
私は、注文書を取り出し、税金など諸々の費用を足して
「15△万○千円になります。」と意気揚々と生田さんに話しました。
「ところで岩崎さん、いくらになるね」
「・・・」
私は次の進め方が、さっぱり解らず頭の中が真っ白になってしまいました。
次の瞬間、所長の顔が浮かびました。
「おい、勝手に値引きをするなよ」
そう言えば、以前はどうやって最終価格を決めたんだっけ。
いくらになると言われても、困ったなぁ
それから、私はどうしてよいのか解らなくなってしまいました。
しばらく、別の話をして話をそらせてしまいました。
すると生田さんは、また
「それで、いくらになるの」
お客さんが買って上げると言ってるのに契約の方法が解らないんです。
そんなことをしていると
「こんにちは」
と玄関から聞き覚えのある声が聞こえてきました。
森マネージャーです。
森マネージャーは、入ってくるなり
「如何ですか。」
と私の計算した注文書を手にとって話をし始めました。
すかさず、お客さんへの質問です。
正直なところ森マネージャーが、どんな質問をしたのか頭が真っ白で、覚えていません。
ただ覚えているのは、数分で商談をまとめ上げたということと、所長に電話を掛けて値引きの金額の承認を取っていたことだけです。森マネージャーは、
「後は、岩崎がしますので」といってさっさと引き上げていきました。
遅れて営業所に戻った私に、森マネージャーは
「お前、何やってんのや」
「そんなことで、契約が決まるか!」と怒鳴りつけてきました。
この一件で相手の支払ってもいいという金額を聞き出さないと商売にはならないんだ。
ということに気付かされたのです。

それからというものこちらから
「いくらになります。買ってください」
という営業の仕方は、やっていません。それは自分にとって苦しいことですが、お客さんがその商品・サービスをいくらに評価してくれるのかを聞いて、自分の提供できる価格であれば話を進める。そうでなければ、もう一度商品の説明を続けるという方法をとるようにしたのです。
すると人の気持ちや考えを聞きだす力がグングン上がりました。
しかも、この方法で商談が成立するとお客さんは押し売りをされたという感情が全く起こらず、自分自身が選んで買ったと思われるのです。
特に訪問営業の場合は、こういった気くばりが必要だったのだと思います。
皆さんも、やたらと見積を出すのではなくお客さんがいくらだったら、私からご購入頂けれるのか。という質問をしてみてください。
そうすれば、営業の方法が明らかに変わり、格段に結果が変わってきます。

どうしても会ってみたいロケットのおじさん

例会というのを行っています。
3月例会の講師にロケットを作っている企業の専務の話を聞くことになったのです。
私は、「そんな話を聞いて、中小企業の業績にどう関係があるの?」って内心疑って掛かっていました。
私はお役柄、運営の会議にも出席していますので、事前にその方の講演のDVDを観る機会がありました。
ご存知の方もみえるかもしれませんが、その方は植松電機の植松努氏で、民間でロケットを打ち上げるということに、チャレンジされ成功された方です。
何でも自分で作ってしまうんです。
最近は恵まれすぎているせいか。ころばぬ先の杖が準備されていないと何も出来ない、
しかも結果まで保証されていないと動きだそうさえしない人が多くなってしまっています。
DVDを観終わって、自分が無理と決めていることがなんと多いことだろうか。そう思いました。
私は、早速本とDVDを購入しました。
同友会での講演会の詳細は同封のパンフレットをご覧ください。

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